愛の十字架
ヨハネ19:26-27
26節「イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。」
ここでなぜ、イエスはお母さんのことを「婦人よ」と呼びましたか。それは不遜な態度や冷たい表現ではありません。
その当時のユダヤ人たちは公けに呼ぶ時の表現として、礼儀であり、そもそも貴婦人を呼ぶときの表現であります。
イエスの公生涯の中でこのような呼び方が何度も出て来るのです。マタイ15:28、ルカ13:12、ヨハネ2:4、4:21、8:10、20:13節
に書かれています。ある神学者は婦人よと呼んだことはこれ以上自分のことを肉体の息子に見ないようにと言う意味であるそうです。ヨハネ2:4節でカナの婚礼の時にも「婦人よ」と呼びました。その時は公生涯を始まる時に呼びましたが、今日の本文での婦人よと呼んだのはイエスご自身の苦難と死に対する救済的な意味に関心を集中されるために「婦人よ」と呼んだと釈儀がなされています。そして、イエスはヨハネに母マリアを紹介し、マリアにもヨハネを紹介して、あなたの子ですと言われています。イエスの弟子の中で十字架の下で最後まで待っていた人はヨハネです。イエスの兄弟ヤコブもユダも若い年で殉教されましたが、ヨハネは彼らよりは長く生きました。
そういう意味でイエスは母マリアをヨハネにお願いしたかも
しれません。他の人よりは安心したと思います。
ヨハネが書かれた手紙を見ますと自分の名前を言わないで
大体の場合は「主が愛する弟子」と言う表現が多くあります。
このように主イエスは人