あなたは良くなりたいか？
ヨハネ５：１－９
ヨハネ福音書は７つの印しと７つのイエスの自己宣言によって構成されています。本日の箇所は３つ目の印しでもあります。３８年も病気で苦しんでいるある患者の癒しの話しであります。ここに登場する患者は希望もない、喜びもない人生でした。ここに書かれているベトサダと言う地名は神学的に色々と言われていますが、ヘブライ語の「ベト」は家の意味で、サダは慈愛と言う言葉の合成語であります。しかし、慈愛の意味がある言葉です。即ち、神の慈愛、神の恵みを待ち望みつつ人の病気が癒されることを願う人々が集まるところです。この「ベトサダ池」の特徴は池の底から水が湧き出る時に、一番最初に池に入った人は癒される伝説がある池であります。ですから多くの人が順番で待っている場所であります。
患者たちは希望をもって待っているいる池であります。６節「イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。」、ここで「見」、「知って」と言う２つの言葉です。主イエスは彼を見る瞬間、彼の状況を知っていたのです。イエスは人性を持っている同時に神性も持っておられるお方です。ですから主イエスは全ての見ておられるし、全てを知っておられるのです。主イエスは彼に聞くのです。「良くなりたいか？」この質問が彼を癒すのです。条件もなく、ただの質問でした。７節「病人は答えた。「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。」彼の答えを見ますと信仰的な部分は一つもありません。希望のない絶望的な答えです。
私たちが教会に来て、信仰生活をしていてもこのような絶望的な話をする時もあります。この世的には解決の方法は見えません。誰も助けてくれる人がいないので自分は一番早く池に入ることが出来ないのです。
４節「彼らは、水が動くのを待っていた。それは、主の使いがときどき池に降りて来て、水が動くことがあり、水が動いたとき、真っ先に水に入る者は、どんな病気にかかっていても、いやされたからである。」
「真っ先に水に入る者」にならないから自分は駄目だと言っている彼の心は理解出来ますか。